コラム:環境の変化をきっかけに勉強に興味を失った時、どうする? その1


新しい環境にお子さんが適応していくには本人の力と、ご家庭でのサポートも不可欠です。子供が自信をもち行動していく土台づくりに親ができることを考えます。


【根扱ぎ体験とは】
今まで慣れ親しんだ環境を離れ、生活状況が根こそぎ変わってしまう体験を根扱ぎ体験と言います。当たり前に身の回りにあった大切な存在から離れ、新しい環境に適応していくスタート地点に立ったとき、わくわくする人もいれば不安でどうしていいかわからなくなる人もいるでしょう。


根扱ぎ体験での反応は人それぞれで、適応していく過程やスピードもさまざまです。今まさに根扱ぎ体験の渦中にいるお子さんも、自分なりの段階を経て成長されていくことでしょう。例えば、海外赴任の場合にはなどは、異文化圏の学校という環境で、言語や交友関係、社会規範など初めて経験するばかりで戸惑うことも多く、適応するまでは多少の時間を要します。


根扱ぎの中でも、家族でのコミュニケーションが不変の存在として感じられることで支えられます。その日あった出来事や気持ちなどを話しながら一緒に振り返る時間が持てるとよいでしょう。適応力は将来自立する過程においては必須の力になります。今ここで異文化での適応体験をすることで、将来の適応力を養う好機になっています。


【欲求は段階を経て充足していく】
人はさまざまな欲求を抱えている存在であり、生理的欲求(一次的欲求)が充足してから、何かを達成し他者に認められたいという社会的欲求(二次的欲求)に移行すると考えたのはアメリカの心理学者マズローであることは有名です。次元の低いものから順にあげると、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求の5つの階層から成り立っています。


健全な人間形成にはこれらの欲求が適度に満たされていく必要があると言われています。実際の子供の成長段階では、いろいろな階層の欲求が複雑に関係し実体験を重ね、時間をかけて形成されていくようです。では、子供が勉強をしたいと思うときのモチベーションはどの階層にあるのでしょうか。やはり承認の欲求や自己実現の欲求といった高次の階層と関係していると考えられます。


根扱ぎ体験においては、その前段階において、新しい環境が安全であり所属や愛の欲求においても充足感を感じている必要があります。それから自分の能力を発揮していく準備が整います。勉強になかなか身が入らない場合、まずは新しい環境が本人にとって安全であることが分かり、また友人との関わりや学校への所属感が確認できて、周囲から認められる経験をしてから、自分らしさを発揮できる場面が増えてくることで、徐々に向上していきます。

自己実現へと発展させられるように、まずは家庭においてどんな些細なことでもいいので承認の機会を増やし、自信をつけられるとよいでしょう。


その2へ続く
INSーnavi編集部
 
 
 

 

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