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〈帰国子女体験記:鈴木萌さん〉その4:アメリカの小学校生活~記憶に残った授業編

ローズヒル小学校で記憶に残っている授業があったので紹介します。科目が「社会」になるのかははっきり覚えていないのですが、教科書を使ったり、使わなかったりいろんな授業がありました。

カンザスでも薬物乱用は深刻だったので、警察官が学校にきてDrugの危険を教える授業や、不審者が学校に侵入してきたときの避難の仕方を具体的に教わりました。

ある日「次の時間は3クラス合同でSocial Studiesです。Mrs. Kostusクラスに移動です」と移動教室になり、全員でテレビを見ました。それはO. J. Simpsonの裁判中継でした。

それまでO. J. Simpsonがどんな人かも全く知らなかったのですが、先生も生徒も裁判に釘付けになっている姿を見て、O. J. Simpsonが有名人だとわかり、国民的なヒーローであったことも感じ取りました。全員が見守る中”Not guilty”と聞こえた瞬間に教室中、生徒も先生も”Yeaaaaahhhh!!!”と歓喜の声が上がった時は本当に驚きました。

もちろん私はなんのことか全然わからなかったのですが、帰宅したらテレビはそのニュースでもちきりで、「無罪シーン」は何度も見た記憶があります。

同じようなテレビ中継を見る授業がもう1度あり、そちらもとても衝撃でした。当時中国と台湾は関係が悪く、中国側から戦闘訓練で台湾に向けて発砲するニュースを全員で見ました。

K(コスタス先生)クラスには中国系の女の子Lと台湾系の女の子Mがいたのですが、このニュースを見せられた後のMはとても寂しそうな表情でした。

小学校6年生に、国民的ヒーローの殺人事件の裁判、人種差別問題、国際問題を考えさせる...。日本ではオウム真理教の事件があったときでさえ学校内ではそこまで話題にならなかったのに、授業の素材の発想がすごいなあと、今感じます。

Spelling Bee(スペリング・ビー)というコンテストの授業も思い出深いです。スペリングを正しく言って、間違えたらそこで終了。学年1位を決める大会でした。この大会もKクラスで6年生全員で、起立した状態から始まります。

全米の小6までに覚えるべき単語を先生が一人ずつあてて答えさせます。私がそれまで毎日のように聞いていたのにわからなかった単語があったのですが、それがテストに出たのです!

先生 ”people” 生徒 ”p-e-o-p-l-e’ 先生 ’correct!’ 私  いつも携帯していた英和辞典で調べる。(ぴーぽーってpeopleなんだ!人々って意味だったのか!!) 日本では漢字練習をたくさんやりますが、英語圏ではスペリング・ビーのように綴りをたくさん練習したり覚えたりするのですね。

今子供達に英語を教えている身として、現在の子供達のスペリング・ビーを見学したくなりました。次回はイベント編です。



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